ユーザ要求の抽出方法

木曜日、金曜日はS社との打ち合わせに参加させて頂きました。

S社と共同でCTスキャナを開発するためです。木曜の午前中はBWHの工学系のメンバーとS社の研究者とでミーティング。それぞれが開発しているソフトの利点を整理し、必要な機能のアサインをどうするかなど、コラボレーションの第一段階目の話し合いでした。
ここでも「シャドーイング」という万能免罪符のお陰で、立ち会いの許可を頂きました。

午後からは午前中のメンバーに加え、BWHの泌尿器科の医師を迎えて再びミーティングです。ここではエンジニア側から医師に、実際の治療の手順や病気ごとの腫瘍の特徴(例えば、乳がんと膀胱がんで腫瘍の形態がどう違うか)などを質問。
医師はどこをどうスキャンが出来ると助かるか、という要求も話していました。

何かをデザインする時、最初にデザイン・コンセプトを作ります。これからデザインするものが一体何の役に立つのかを大まかに決めるプロセスです。以前にご紹介したヒューマン・センタード・デザインのプロセスでは、「1. 解決する問題、要求の決定」に相当します。
デザイン・コンセプトを作るというのが具体的にどんな作業かと言うと、これからデザインするものが、
・どのような「行動」に対し、=どのような「価値」を提供するのか(どのような要求・問題を解決するのか)
・どのような「手段」によってその価値を提供するのか
これらを決めるプロセスです(下図参照)。
fig5
 
医療機器開発が難しいのは、この「要求・問題」が専門的過ぎて開発するエンジニアやデザイナーには完全に予想が出来ないところです。
とはいえ医療機器以外でも、このユーザの要求抽出やコンセプトメイキングを体系立てて行うことは、大変難しいです。デザイナーの妄想ではなく、ユーザの要求に基づいてコンセプトを作るには、ユーザから要求を抽出する質的研究手法が有効になります。

BWHではCTスキャナのユーザである医師に、直接インタビューをするフィールド調査を行っていました。そして医師がもう1人のユーザである患者の要求についても話していました。もちろん病気を治すことが患者の最大の要求ですが、治療の選択やその過程にあるものなど、精神的な部分が介在する要求についてもエンジニア側に伝えていました。医師は診察から患者の要求を聞き、治療のコンセプトを作っています。エンジニアは医師と患者両者の要求を基に、それを解決するシステムをデザインしていくようです。

そしてこのあと、また面白いことがあったのですが、これはまた次のブログでご紹介します。

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About mikikumekawa

粂川美紀 Miki Kumekawa 千葉大学大学院工学研究科デザイン科学コース特任助教時代に、独立行政法人日本学術振興会「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」基金により、米ハーバード・メディカル・スクール ブリガム&ウイメンズ病院に客員研究員として滞在しました。このブログはその時の記録です。
カテゴリー: コラボレーション, マネジメント, 開発 パーマリンク

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