昨日は「ガイダンスコア」のミーティングの後、このブログにも既に何度か登場している”サムさん”にインタビューさせて頂きました。サムさんは前の日に韓国からアメリカに戻って来たばかりでした。時差ボケで眠そうながらも、沢山お話して下さいました。
実はサムさんというのは呼び名で、本名は サンエンソンさんと言います。
これがサムさんの机です。

パソコンのモニターは、なんと観音開きでした。
私がBWHに来た初日にサムさんに初めてお会いした時、彼はこの大きなモニターに向かって、機械の設計をしていました。機械工学(医用ロボティクス)が専門です。
まずはサムさんから
「何が知りたいんですか?先にあなたの知りたいことを聞いて、それに合わせてお話しましょう。」
と聞かれたので、事前に作っておいた研究計画のパワーポイントを見て貰いました。
「英語、おかしいかも知れないけど理解出来ました?」
「英語は分かったけど、トランスレーショナル・デザイン・リサーチって言葉はおかしいと思います。トランスレーショナル・リサーチは、それでひとつの言葉だから。デザインって言葉を入れたいなら、デザイン・オブ・トランスレーショナル・リサーチにするべきです」
と、早速研究タイトルを訂正して頂きました。
ブログのタイトルもこれです。直さなければ・・・。
それからサムさんは医用機器の開発プロセスについて
「3つのステップがあるんです」
と、図を書きながら教えてくれました。
ステップ1:プレイモデル(の提案)
ここでは、開発する機器のきわめてミニマルなモデルを提案します(原理的なものと言うべきでしょうか。)ただし、この時点から既に最終形態をイメージしておきます。エンジニアだけではなく、医師と話し合って提案します。
ステップ2:ローテク・クリニカル(臨床)
ここでは、開発した機器を臨床で評価します。(ローテクと言う表現ですが、勿論臨床現場に持ち込める基準はクリアしています。)
ステップ3:アルティメット・ソリューション(最終提案)
このステップでは、ステップ2から更にブラッシュアップし、商品として耐えうるものにします。このステップは大学ではなく、メーカーが行います。
以上、( )内は私の補足説明です。各ステップの名前はサムさんの言葉をそのまま引用しました。
ステップ2と3は一度で終わる訳ではなく、何度も繰り返して行われます。つまりは何度も臨床現場に持ち込み、そこでのデータ、出来事を持ち帰ってよりよく改善して行きます。BWH(ブリガム&ウイメンズ病院)は特に、病院の中で医用機器の開発を行っているため、この開発方法を行いやすい環境にあります。
それから、ユーザ(ここでは医師と患者)の潜在的な要求をどうやって探し出すのか?という質問をしてみました。
サムさん曰く、要求を探すことは、3ステップのそれぞれで行っているそうです。
「問題を減らす方向で考えますね。問題というのは時間がかかること、正確ではないこと、流れがスムーズでないこと・・・ただ、ここでエンジニアはこれを機械の問題だと思うけど、医師は例えば看護士に問題があると考えます。」
「そうですか。医用機器は他の製品と違って、大きな方向がある程度決まっています。病気を治すこと、人の命を助けることですよね。」
「そうです。それから僕たちのように大学の中で医用機器を開発している場合、これは売ることではなくアカデミックな立場から考えます。それも他の製品と違うことかも知れません。」
さて、サムさんのお話はまだまだ続くのですが、長くなるので続きはまた次回に。
こちらがサムさんです(既に数回登場済みですが)。

優しそう・・・。
ピンバック: サムさんの医用機器開発3ステップ 2 | Translational Design Research
ピンバック: インタビュー結果4:トランスレーショナル・リサーチの手順 | Translational Design Research