今回のインタビューで「あなたのトランスレーショナル・デザインの方法について教えて下さい」という質問をしました。この問いに対し、手順を教えてくれた人、それから秘訣を教えてくれた人など、回答は様々でした。
秘訣について、Kitwearのステファンは
「仲間と楽しく仕事をすること 沢山話して、コミュニケーションを取ることです。仲間というのは医師も含めてですね。仲間と話すことで見つけた問題は、出来るだけ早く解決します。いちいちオフォスに持ち帰って解決するとは限りません。」
実は、私が最初にステファンに会ったのは今回のワークショップではなく、半月ほど前、BWHのMRIとCTのある部屋でした。その部屋には手術室と、手術室の手前にガラス越しになっている部屋にモニターがあり、そこで手術中にMRIやCTの画像の処理などをします。山田先生も、手術に立ち合う時にはそこで作業をするそうです。ステファンも水色の服を着て、そこで作業をしていました。Kitwareの社員ですが、BWHで開発をしているそうです。
このことについてステファンは
「BWHで開発をするということは、医師と共同で開発が出来るということです。」
と言っていました。
ブルーメンフェルドは
「トランスレーショナル・リサーチのためには、医師と話をすることです。沢山の会話、これが一番重要です。それから現場の要求を何よりも先に見つけて、それを基に開発をすること。開発よりも先に要求を見つけること。これが重要です。」
日本語にするとなんだか味気ないですが、彼は常に一人称を「I(私)」ではなく「You(あなた)」にして、「You should talk with・・・」「You should find ・・・」と言う表現で、一言一言丁寧に、まさに助言を下さいました。ハリー・ポッターのダンブルドアがハリーに、もしくはスターウォーズのヨーダがルークに知恵を授ける時のような、厳かながらもリラックスした雰囲気でした。
どうやって先に要求を見つけるのか、ということについては
「医師と話しなさい。出来るだけ沢山ね。話して話して話して・・・その中から要求を発見しなさい。」
とのことでした。
ところでブルーメンフェルドはGE時代、やはり病院でCTの開発を行ったそうです。
「私はとても幸運でした。家内の弟が医師で、新設の病院に赴任したのです。まだ患者もいない、設備もない病院にね。私はその何もない新しい病院で、機器を開発をしました。」
新しいことをするには、それを受け入れてくれる環境がなければ出来ません。トランスレーショナル・リサーチにおいては特に、医師がエンジニアを受け入れることが重要なファクターであるようです。これは波多先生がいつも仰っていることでもあります。
またIsomics,Inc.のスティーブによると
「医用機器の開発で一番重要な問題は、patient’s crisis(患者の危機)です。これが何よりも重大なことです。私たちは開発の各フェーズで、開発している危機が患者に危機を及ぼすかについて評価する必要があります。」
とのことでした。