インタビュー結果4:トランスレーショナル・リサーチの手順

今日はインタビューで明らかになった、トランスレーショナル・リサーチの手順についてご紹介します。

以前、サムさんへのインタビューでご紹介した3ステップですが、これとほぼ同じ手順を踏んでいたのがスティーブでした。サムさんはメカニカルエンジニア、スティーブは形成外科手術のイメージソフトなどを開発していたソフトウェアエンジニアです。ハードとソフトの違いはあるものの、この2人のトランスレーショナル・リサーチの手順はとても似ていました。

以下、スティーブのお話です。

「まずコンセプトからプロトタイプを作って、早い段階で現場に持って行きます。そして医師と相談して、テストしながら開発を詰めて行きます。今私はBWH(ブリガム&ウイメンズ病院)で開発していますから、これが簡単に出来ます。」

それからバーでお話ししたビル・ローレンセンも同じことを言っていました。

「まず、アイデアが浮かんだら医師に会いに行きます。そして話をしてプロトタイプを作り、何度もテストします。」

作るものがハードであろうとソフトであろうと、早い段階で現場をよく知る医師を話をすること、または自分で現場に持って行くこと。そしてテストしながら開発すること。このブログで再三書いて来たことですが、

・現場の状況に合わせて開発すること
・現場でテストしながら開発すること

この二つのことがトランスレーショナル・リサーチにおいては非常に重要なプロセスであることが分かります。

また、この先にある製品化についても、スティーブはサムさんと同様に
「製品化するには、更なる詰めが必要ですが、これは企業が行います。」
と言っていました。
サムさんも、製品化は企業が行うことだと言っていました。実はサムさんはこれについて次のような理由を教えて下さいました。

「大学はアカデミックな開発をします。目的は理論を作って、論文を書くことです。企業は製品を売ることが目的ですから、根本的な目的が違います。だから担当する部分も違います。」

この話をそのままスティーブに話したところ、

「ああ、サムがそう言っていたの?そうそう、そうなんだよね。だから例えばオープンソースも・・・時には企業にとっては難しい部分があって、ソースを公開してしまうから、お金を儲けるということにつながらないという意見もありますね。」

スティーブは大学でも企業でも医用機器開発をしているので、その立場からのお話でした。
この企業とオープンソースについては、また別のブログで詳しく書きます。

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About mikikumekawa

粂川美紀 Miki Kumekawa 千葉大学大学院工学研究科デザイン科学コース特任助教時代に、独立行政法人日本学術振興会「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」基金により、米ハーバード・メディカル・スクール ブリガム&ウイメンズ病院に客員研究員として滞在しました。このブログはその時の記録です。
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