ソルトレイクシティのワークショップでインタビューしたことを、途中で波多先生に報告しました。
ユーザの要求を抽出するために繰り返し繰り返しテストすること、繰り返し現場の状況を反映すること。これはトランスレーショナル・リサーチの重要なファクターです。ティナ、ステファン、スティーブ・パイパー、ビル・ローレンセン、ブルーメンフェルド、そしてサムさんも含めて全員が、同じ手法を取っていました。現場の状況をどう反映するかは人それぞれです。医師や技師と対話をする人、ブレインストーミングをする人、その場で意見を取り入れてどんどん開発する人など。
スティーブ・パイパーはこのプロセスについて、
「現場で評価しながら、少しずつ機能を付加していく」
ということを言っていました。
・・・ということを波多先生に話したところ、
「アジャイル・ディベロップメントや!」
と言って、説明して下さいました。その後、自分でも調べてみました。
アジャイル・ディベロップメントは日本では「アジャイルソフトウェア開発」として知られているようです。
分かりやすく言うと、ソフトウェアの開発において、開発とテストを短期間で繰り返す方法です。
以下にアジャイルソフトウェア開発について詳しいサイトをご紹介します。
・従来の開発方法との比較をしたサイト
・アジャイル・ソフトウエア開発宣言についてのサイト
アジャイル・ソフトウェア開発宣言とは、2001年にアメリカのソフトウェア開発者が集まり(奇しくも場所はユタ州だったそうです)、それぞれが行っていた開発方法の統廃合について議論したものをまとめた文書です。
・プロセスやツールより人と人同士の相互作用を重視する。
・包括的なドキュメントより動作するソフトウェアを重視する。
・契約上の交渉よりも顧客との協調を重視する。
・計画に従うことよりも変化に対応することを重視する。
原則は以上の4つです。
また次の12の原理があります。
・ソフトウェアの早期,継続的な納品により, 顧客の満足を達成することが第1優先である.
・開発の終盤であろうとも、要求内容の変更を歓迎する. アジャイルなプロセスは, 顧客の競争上の優位性のため, 変化を制する.
・数週間から数ヶ月間のサイクルで動作するソフトウェアを納品する. サイクルは短い方が良い.
・ビジネス側の人間と開発者がプロジェクトを通じて日々協力をしなければならない.
・志の高い開発者を中心にプロジェクトを編成する.必要な環境や支援を与え, 任務をやり遂げることを信じなさい.
・開発チームの内外でもっとも効率的で、効果的な情報伝達を行う手段は, 顔をつき合わせて話し合うことである.
・動作するソフトウェアが, 主たる進捗の確認手段である.
・アジャイルなソフトウェア開発は、持続的な開発を促す. 開発資金の提供者、開発者、ユーザは、必ず一定のペースを守れるべきである.
・技術力と良い設計に絶えず気を配ることで、機敏さは向上する.
・不必要なことを行わない技能である簡潔さは、本質的である.
・自己組織化されたチームから最善のアーキテクチャ, 要求, 設計が生まれる.
・定期的に、チームはもっと効果的になる道を考え、開発の進め方を調和させ, 調整する.
ソルトレイクシティにおけるインタビューで分かったこと、それからオープンソースの利点も含めて、アジャイルソフトウェア開発と非常によく似ています。
特にBWHの医用機器開発は下に示すように、ソフトウェアに限らず、アジャイル・ディベロップメントの手法を取っています。
・プロセスやツールより人と人同士の相互作用を重視する。→医師とエンジニアがコラボレートして開発していること
・包括的なドキュメントより動作するソフトウェアを重視する。→※現時点では不明。これから確認します。
・契約上の交渉よりも顧客との協調を重視する。→ユーザである医師と共同で開発していること
・計画に従うことよりも変化に対応することを重視する。→ラボで開発しすぐに臨床現場で試験していること
ところで・・・。
これがBWHで実際にどう行われているのかは見て来ましたが、完全に一致している訳ではありません。アジャイル・ディベロップメントはソフトウェア単体の開発ですが、BWHはソフトウェアとハーウェアの両方の開発をしています。
また臨床現場でエンジニアがどのように顧客(ユーザと言えます。ここでは医師)の要求を抽出しているのか、などもとても気になります。
これからこのことについて調査して行きたいと思います。
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