医用機器のアジャイル・ディベロップメント2

ところでAMIGOの波多先生、

・今自分が何を見ているか
・どんなことを考えているか

実はこんなことをその都度私に教えて下さいました。そして医師と話をした後に、

「自分で気付いたんやけど、お医者さんの要求を聞きながら、解決方法を何段階かに分けてるわ。」

とのこと。どういうことかと言うと、例えば波多先生が開発した機器を使用した医師が、

A :「もっとここがこういう風になると良い」

ということを波多先生に伝えたとします。
この時、すぐに簡単にAが実現出来るとは限りません。技術的に何段階かのステップを踏む可能性もあります。波多先生は頭の中で
医師の要求(ニーズ)を分析し、技術(シーズ)との関係でどうすれば要求が実現するか、計画を立てます。最終的なゴールをAとして、そこまでのステップを技術的な側面から計画するということです。

例えばカレーを作る時に、いきなり全部の材料をルーを混ぜたりはしません。
野菜を切る→肉と野菜を炒める→炒めた材料を茹でる→ルーを入れて煮込む
と何段階かのステップを踏んで、初めてカレーが完成します。場合によっては「肉は野菜よりも先に炒めた方がおいしいな」などと、工夫したりもします。

波多先生が医師の要求を実現する時もこのように、要求実現を最終ゴールとしてそこまでに何段階か踏んでいるそうです。
要求をどう切り分けるかと言うと、その時のお話を聞く限りは「技術的限界」以上に「リスクが無いか」ということも基準になっていました。つまり、いきなりステップを飛ばしてしまうと患者に危険があるようなことは避け、少しずつステップアップしているようです。
またこういうプロセスを取ることで、いきなり最後まで開発をするよりも、細かい段階で医師の意見を確認したり、現場でテストすることが出来ると言う「アジャイル・ディベロップメント」が実現します。

簡単に、波多先生が取っている方法のモデル図を作成しました。
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(1)医師の要求(ニーズ)を抽出
(2)リスク及び技術(シーズ)の側面からニーズを分析
(3)開発計画の作成
(4)開発←→テスト(アジャイル・ディベロップメント)
(5)解決案の最終提案
(1)最終提案に対する医師の要求抽出

まだ仮説段階ですが、これが波多先生の頭の中のトランスレーショナル・リサーチの一端なのかも知れません。

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About mikikumekawa

粂川美紀 Miki Kumekawa 千葉大学大学院工学研究科デザイン科学コース特任助教時代に、独立行政法人日本学術振興会「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」基金により、米ハーバード・メディカル・スクール ブリガム&ウイメンズ病院に客員研究員として滞在しました。このブログはその時の記録です。
カテゴリー: トランスレーショナルデザイン, 開発 パーマリンク

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